≠″ャ 」レ 文 字├″ッ ├ ]厶 |
職場の近くにチェーンの喫茶店があって、いつも同じメニューを注文している。 お決まりのオーダーは「レギュラーサイズのホットココア1つ、持ち帰り、袋には入れない」なのだが、実際のレジ前ではこうなる。 「いらっしゃいませ~」 「……(目礼)」 「店内でお召し上がりですか?、それとも、お持ち帰りですか?」 「テイクアウト、ココア、ホット、レギュラーサイズ、持ち帰りで(←テイクアウトのことだろ)」 「袋にお入れしますか?」 「いいえ、そのままで」 「420円です」 わずか2メートルほど離れたところにいる調理担当の同僚に向かって 「ココアワン、テイクてもちぃ~~~!」 みたいな指示がとぶ。 毎回このやりとりがまどろっこしい。 ある日、 「いらっしゃ……」にかぶせて、 「ココアワンテイク手持ち!」 とドヤ顔でいってみた。 これで大幅に時間が節約できると期待したが、マニュアルの洗脳のほうが強かった。 「店内でお召し上がりですか?、それとも、お持ち帰りですか?」から始まり、結局、いつものやりとりになってしまった……。 別のある日、私は100円玉が不足していた。 するとびっくりすることが起こった。 例のやりとりのあとで私が10,020円を出すと、 「(わずか2メートルほど離れたところにいる同僚に向かって一万円札を大げさに見せて)一万円札確認、お願いしま~~~す!」 「(わずか2メートルほど離れたところにいる同僚が)一万円札、確認しました~~~!」 この芝居というかパフォーマンスも、釣銭間違い防止のためにマニュアルで規定されている手順なのだろう。 それだけではなかった。 「まずは小さいおつりです」といって600円をくれる。 「続いて大きいおつりです」といって九千円くれるのかと思って私が手を伸ばすと、店員はくるっと横を向いて、 「(わずか2メートルほど離れたところにいる同僚に向かって五千円1枚と千円札4枚を扇子のように広げてヒラヒラとさせてアピールし)大きいおつり九千円、確認お願いしま~~~す!」 「(わずか2メートルほど離れたところにいる同僚が)大きいおつり九千円、確認しました~~~!」 というさわやかな声が朝の店内に響いた。 次は、ちゃんと小銭を用意しようと思った。 |